【子供同士のケンカ】いじめとの違いと親が介入するべきケンカとは?
保育園や幼稚園から小学校に入学すると、子供同士の関わりや子供だけで過ごす時間が必然的に長くなります。
同時に増えるのが子供同士のケンカです。人間関係を学ぶ意味でもケンカは必ずしも悪いことではありませんが、ケンカの内容によっては「もしかするといじめられているのかな?」と心配になることもあるでしょう。
ただのケンカなら子供に任せてしまっても構いませんが、いじめとなると親が介入する必要が出てきます。
今回は子供同士のケンカに焦点を当て、いじめの違い、そして親が介入するべきケンカについて解説します。
いじめの件数は6年連続で増加している
文部科学省が「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、2019年に全国の小中高等学校で認知されたいじめ件数は61万2496件。
2018年より6万8563件も増加していることが判明しました。
6年連続で増加しています。
学校別の件数は小学校が48万4545件、中学校が10万6524件、高校が1万8352件、特別支援学校が3075件でした。
小学生の総数が多いことを含んだとしても、低年齢でいじめが発生しやすいことが分かります。
子供同士のケンカといじめとの違い
子供同士のケンカといじめにはどのような違いがあるのでしょうか?
何となくいじめの方が状況の深刻さを想像させますが、言葉で説明するとなると案外難しいものです。
違いの大きなポイントとなるのが、両者における力関係。
子供同士のケンカは互いの力関係が対等であることに対して、いじめでは力関係が対等ではありません。
例えばケンカの場合は「ケンカをする子供の人数が同じ」「一方的にやったり、やられたりする状況が続かない」「お互いが心身にダメージを受ける」といった特徴があるでしょう。
一方のいじめでは「いじめられる側はいじめる側よりも人数が少ない」「いじめられる側は、いつも一方的にやられている」「いじめられる側だけが心身にダメージを受ける」といった特徴があります。
もしかするといじめかも?子供同士のケンカで親が介入するべきケース
前述したように子供同士のケンカといじめには、明確な違いがあります。
とはいっても子供から聞いた話しの中だけで、両者の力関係がどのようになっているのかを瞬時に判断するのは難しいでしょう。
「ただのケンカだと思っていたのに、実はいじめだった」「いじめだと思っていたけど、子供同士のささいなケンカだった」など、最初に判断したこととは実態が違っていたケースも少なくありません。
大切なのが子供の様子を細かく観察すること。
表情や態度、言葉、持ち物などを細かくチェックして、いざという時もすぐに介入できるようにしておきましょう。
続いては子供同士のケンカで、特に親が介入するべきケースを紹介します。
見てすぐに分かるケガを負った場合
まずは誰が見てもすぐに分かるようなケガを負った場合です。
ぶたれた跡やひっかき傷、出血などがある場合は注意しましょう。
通常のケンカであれば叩いたり蹴ったりするようなことがあったとしても、目で分かるほどのケガになることはほとんどありません。
もし医療機関で治療を必要となるほどのケガであれば、速やかに学校や相手の保護者に連絡を入れてください。
私物の破損や紛失があった場合
2つ目は私物の破損や紛失があった場合です。
ただのケンカの場合、私物を壊したり盗ったりするようなことは基本的にありません。
エンピツや消しゴムといった例え小さなものであっても、破損や紛失が会った場合は注意してください。
最初は小さなものの被害で済んだとしても、次第に内容がエスカレートしていく可能性があります。
お金のやり取りがからんだ場合
子供同士でお金のやり取りがからんだ場合も注意してください。
「お金を渡した」といったように直接お金のやり取りがあった場合だけでなく、「お菓子を買わされた」「お金を貸してほしいと言われた」などもNGです。
最初は10円や50円といった少額であっても、何度もくり返される内に金額が大きくなっていく可能性もあります。
複数人から被害を受けている場合
最後は複数人から被害を受けている場合です。
先に述べたように力関係の差があるかどうかの基準の一つが、被害を受ける側と被害を与える側との人数の違い。明らかに相手の人数が多い場合はただのケンカではなく、いじめを疑った方が良いでしょう。
いじめが疑われた場合にするべきこと
もし子供にいじめ被害が疑われた場合、親として何をすれば良いのでしょうか。
まずは子供を守りましょう。心身共にひどく傷ついている場合は、無理に学校へ行かせる必要はありません。
自宅でゆっくり休養を取り、その間にこれからどうするべきなのか対応を考えます。
そして子供に直接「何があっても大丈夫。お父さんとお母さんが守るからね」と、気持ちをラクにするような言葉をかけてあげましょう。
いじめが学校内の友人関係の中で行われている場合、問題の解決主体は学校です。
そのため子供の担任の先生に連絡を取って、話し合いをするアポイントを取ってください。
つい感情的になってしまいそうですが、学校の先生は決して敵ではありません。
「いじめ問題を協力して、一緒に解決をしていきたい」といった意思を示すことで、学校側も協力してくれるようになるはずです。
いじめの証拠が手に入らない場合
学校の先生に相談をする際、いじめを受けた証拠を持って行くのがベストです。身体に受けた傷や、破損された持ち物の写真を撮っておくようにしましょう。
しかし中には具体的な証拠を見つけられないケースもあるでしょう。
おすすめの方法の一つが、探偵事務所への調査依頼。
学校外の調査に限りますが、尾行や待ち伏せなどを通して、学校外で行われているいじめの証拠をつかんでくれます。
まとめ
子供同士のケンカといじめには明確な違いがあります。両者の力関係に差がある場合はいじめと思って良いでしょう。
しかし力関係の差を、子供の話しだけで判断するのは難しい面もあります。
見て分かるケガを負った場合や私物の破損や紛失があった場合など、今回紹介したようなケースが子供に起きたら、いじめを疑った方が良いかもしれません。